ELPIDAが「なぜ破綻したのか。」を知ることによって
DRAM業界の仕組みがわかり、そして今現在、
市場最安を記録しているDDR3メモリが
なぜこれほどまでに安いか?
を知ることができる。
それを、とても解りやすく解説している記事があったので
是非見て欲しい。
後藤弘茂のWeekly海外ニュースエルピーダメモリの行き詰まりはDRAMの終焉の象徴か・競合他社と違いELPIDAはSSDに使われるNANDの製造を行なっておらず
メモリモジュールのDRAM製造だけを行なっていた。
・1枚のシリコンウェハから生産できる量が、製造プロセスの微細化により
より多く生産できるようになりモジュール単価が下落した。
・微細化を進めるには、技術開発や設備投資に多大な資金が必要
その技術や設備はNANDの生産にも利用できるが、ELPIDAはDRAM製造しか行なっていない。
(次世代NANDの技術開発は行なっていたが、実際にNANDを生産してはいない。)
・急激な円高、さらにタイの洪水によるHDDの生産力の低下が
PC出荷台数の足かせになり、DRAMの供給生産が需要を大きく上回り
価格がさらに下がった。
所感
円高や洪水の影響もあるが、それよりもELPIDAの事業体制が
DRAM事業のみという事が、最大の要因だと思う。
もちろん、ReRAM技術など次世代NANDのための研究開発も
行なっているが、それが利益につながるのは
新技術を使い量産し、それが売れた時点でやっと利益がでる。
海外のメモリーモジュールメーカーは
DRAM製造を行なっているところは、まず確実に
NAND製造も行なっており、SSDやフラッシュメモリなどで
DRAM事業での損失をNAND事業でカバーして生き残っている。
ただ、タイ洪水以降は台湾大手のProMOSなどは
DRAM事業を早々に売却し、NAND事業にシフトしたり
DRAMの生産を縮小したりしてリスクヘッジを行なっている。
一つの分野を極めて、エキスパートになる。
その分野に限界が見えたが、他分野に行けない。
いわゆる「職人」みたいになってしまった。
職人で在り続けるためのコストが莫大な分野で、だ。
海外(他社)との交渉が苦手な、典型的な古い日本企業な感じだろうか
海外企業はもっと柔軟そして大規模に動いただろう。
今後は、こういう事態になってしまったが
結局は利益が出るまで間に合わなかったNANDの技術開発を
量産してNAND事業や、記事中で解説されているWide I/O系のDRAM開発など
多角的に展開していくと、エンドユーザーからみても魅力的だと思う。
ただし、それらにはやはり莫大な資金が必要。
ニュースではELPIDAを支援したい企業が多数、
名を挙げているようなので頑張ってほしい。
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こういうこもれ話もありましたよ